プロフェッショナルの最低条件は「積み重ねるチカラ」こと

わが社の経営計画書には、社長が考える会社の未来像から社員に対する方針や感銘を受けた本の一部を抜粋した文書などが書かれています。

 

その中の「教育・訓練に関する方針」に、「プロになってください。アマチュアのままではダメです。一流のプロとは常に成長しようと向上心を持ち、勉強をし続けている人です。自分から成長しようとしない者は伏せたコップなので教育しても無駄であるという言葉もあります。」という一文があります。

 

アマチュアとプロの決定的な違いとはなんだと思いますか？

僕は、「積み重ねられるチカラ」だと思います。

 

何事もそうですが、積み重ねていくには相当な覚悟や決意が必要です。

趣味や推し活なら、好きなことに熱中している状態なので、覚悟や決意とは無縁です。

飽きれば辞めればいいだけなので、覚悟も決意も必要ありません。

 

では、プロの最低条件の積み重ねチカラとは、数で言うと1,000・5,000あるいは10,000という数です。

・1回トライして失敗したから他の方法を探そう。

・専門書を5冊読んだから、もう読まなくていいだろう。

・30回やってみて何も学べなかったからやめよう。

という世界ではないのです。

その程度では、やったことにはなりませんし、何のチカラもついていません。

 

読書の数で言うと、「どのくらいの量を読めるか（積み重ねるか）」と言うことです。

「自分の専門分野の本を200冊読んでみよう！」と決意をしたのなら、何年かかってもいいから読むこと（積み重ねること）です。

積み重ねると言うことはこれほどの覚悟が必要なんだと思います。

 

しかし、ここで必ずと言っていいほど勘違いする人が出てきます。

それは、「1年かけて、200冊読んだ私はすごい！」と勘違いする人です。

それは、間違いです。

積み重ねとは、「どのくらい読んだのか」ではなく「1冊1冊丁寧に読めたか」が大事です。

 

ただ単に、内容も理解せずに200冊を読むのと、1冊1冊丁寧に200冊を読むのでは、積み重ねる量が全然違います。

 

「これで30冊読んだから、あと170冊読めばいいんだ！」ではなく、100冊目も最後の200冊目も1冊目と同じように丁寧に読み、積み重ねていくのです。

 

 

量を積み重ねれば質が変わる

 

実際に、積み重ねを続けていくと、ある一定を超えたところで、質が上がります。

急にわかるようになったり、急にできるようになったりします。

「量が質に変わる」瞬間が絶対に訪れます。

 

スポーツで言うと、反復練習を続けるとできるようになるのと同じです。

僕はゴルフをするのですが、ゴルフ始めたての頃は、自分自身では真っ直ぐ打っているつもりでも、ボールが左右に飛んでいっていました。

1回の練習で200球、多い時で500球と打っていくと、真っ直ぐボールが飛んで行く回数が増えていきます。

その練習をずっーーーと続けていくと、いつの間にか左右に曲がる幅が少なくなってどんどんボールが真っ直ぐに近づいてきます。

ゴルフを始めて10年以上経ちますが、未だに真っ直ぐボールが飛ぶことの方が少ないですけど、始めた当初よりも曲がり幅は全然少なくなって狙ったところにボールが打てるようになります。

 

また、質が上がると今度は量をもっとこなせるようになります。

そうするとまた質が上がり、もっと量が増えるのです。

こうして、徐々にプロフェッショナルに近づいていくのだと思います。

 

僕も含めて、人はすぐに結果を求めてしまいがちです。

結果が出ないものは続けようとしません。

また、努力したことに対して結果が出ないものや、時間をかけたのに結果がついてこない・上達しないことは続けられません。

だから、5回・10回とやって、失敗したり効果が見えなければ簡単に諦めてしまい辞めてしまいます。

 

しかし、最初は何をするにしても思うように結果はついてきませんし、自分の思うよういかないことが当たり前です。

 

それでも続けられるかどうかがアマチュアとプロフェッショナルの差であり、覚悟と決意の差です。

 

積み重ねの本質は、「量が質に変わる」ことです。

しかし、その瞬間はいつ訪れるかは誰にもわからないのです。

その瞬間が訪れるまで、1つずつ、1回ずつ丁寧に積み重ねていきましょう。

そうすると、自ずと覚悟や決意ができ、自分に自信が持てるようになります。

 

わが社の経営計画書の環境整備に関する方針には、

「形から入って心に至る。形ができるようになれば、あとは自然と心がついてくる。心を磨く。次に心により入って形に現れる。」という一文があります。

これも、積み重ねるチカラのことを指しています。